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2020年2月10日月曜日

病弱

その昔、大学の同級生の女の子にがりがりに痩せた子がいた。
細身の娘が好みだったのでお声掛け。程なく恋仲に。
あるとき、「心臓に大穴が空いていて、苦しい。子供も無理。諦めるなら今のうち。」と告白された。
本人は死ぬ気だったらしい。迷うことなく、恋人のまま。
出来る手術があるのなら、と方々の心臓外科を探しまくってなんとか手術にこぎ着けた。

どきどき。

成功した。うれしかった。術後も良好。でも、子供は無理。受胎しないだろう、と言われた。
当然、親同士は結婚に猛反対。オレの親は勿論、向こうの両親も。
無視。
無視し続けてもなを、説得も続け、6年掛けてやっと挙式/入籍。

10年後、余程経過が良かったのか、妊娠が発覚。
主治医に相談したら、妊娠できたのなら出産は問題ないだろう、「挑戦しましょう」
おまい、オレの女房だぞ、オレの子供だぞ、大丈夫なんだろうなぁ。

どきどき。

無事出産。3,000g 元気な男の子。あまりに嬉しくて、2寸ほど、宙に浮いていた。
半年後、かみさんに似たような心臓障害発覚。成長しないだろうってどういう事?
「様子を見ながら出来るものなら手術をしましょう。」かみさんの執刀医の紹介で
小児心臓外科の先生にお願いする。十年待った一粒種、殺すなよ。頼むから。

どきどき。

成功した。これ以上ないくらい。あれから15年。ころころ太ったかみさんが居る。
「うぜえんだよ、親父。」憎まれ口を聞く、ちょっと小振りな男子高校生が居る。
さえないサラリーマンの普通の一家がある。
かみさんにも、せがれにも言わないが、幸せを噛みしめている。

2019年9月16日月曜日

病気で恋人が

昨日、恋人が死んじゃったんです。病気で。
そしたらなんか通夜が終わって病院に置いて来た荷物とか改めて取りに行ったら
その荷物の中に俺宛に手紙が入ってたんです。
で、よく見たらなんか「わたしの人生は普通の人よりも短かった、だけど〇〇君と一緒に
過ごせたことで普通の人よりもずっと幸せな日々を送れた」、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前な、そんなこといまさら言ってんじゃねーよ、ボケが。死んだ後だよ、もうお前いねぇんだよ。
なんか最後の方はろくに起き上がれもしなかったくせに。弱々しい字で必死で書いてたのか。おめでてーな。
よーし〇〇君のことずっと見守ってるぞー、とか書いてるの。もう見てらんない。
お前な、俺だってまだ言いたいこと沢山あったんだから生き返ってこいと。
愛の言葉ってのはな、もっと生きてるうちに伝えるべきなんだよ。
初めて出会った頃みたいにドギマギして恥ずかしさの余りいつ心臓が破裂してもおかしくない、
言おうか言わざるべきか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。今になってこんな事言い出すやつは、すっこんでろ。
で、やっと涙堪えながら読み終わったと思ったら、最後の方に、「わたしの事は忘れて他の人と幸せになって欲しい」、
とか書いてあるんです。 そこでまたぶち切れですよ。
あのな、俺はお前がホントに死んだなんて信じらんねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、見守ってる、だ。
お前は本当にこの世にいないのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、これは全部タチの悪い夢でホントはどっかで生きてるんちゃうんかと。
独り残された俺から言わせてもらえば今、お前に対してできる供養はやっぱり、 お前の事を忘れないこと、これだね。
たとえジジイになってボケたとしても。これが俺の生き方。
お前との思い出ってのは俺には辛すぎる。そん代わり忘れない。これ。 で、それにお前の事をずっと想い続ける。これ最強。
しかしこれを貫くと次から恋人が2度と出来ないかもしれないという危険も伴う、諸刃の剣。 軟弱者にはお薦め出来ない。
まあお前みたいな寂しがりやは、俺がいつかそっちに行くまで待ってなさいってこった。

2018年12月21日金曜日

きれいなフライパン

一人暮らしを始めるにあたって、意気込んでフライパンを買った
ブランドとかわからんが、とにかく28cmのやつを1本
それまで、料理なんて全くしなかったんだが一人暮らしだから自分で作るしかない
そう思って、買った
空焼きしたり、油を馴染ませたり、手入れを怠って真っ赤に錆びさせたり
それを金たわしでゴシゴシやって、また空焼きして油を馴染ませたり
とりあえず、目玉焼きは、上手になった

彼女ができた
すんげーかわいいし素直
だけど、料理はぜんぜんダメだったw
たまの休みの日には俺が、ちょっとだけ贅沢してステーキを焼いた
彼女はミディアム、俺はレアが好きだった
このフライパンは、お前と出会う前から俺と一緒に暮らしていると言ったら
彼女はふくれっ面になって、それから笑った

俺と彼女は幸せな時間を過ごした
料理が下手な彼女は、目玉焼きを何度も焦がした
俺は笑いながら、焦げた目玉焼きを美味しく頂いた
大事なフライパンなのに、ごめんなさいと、彼女は詫びた
大丈夫だよと金タワシでこすって空焼きしたら、
彼女はフライパンの深く碧い色を「きれいね」と言った

彼女は、突然、いなくなった
事故だった

俺は今も、時々、フライパンを金タワシでこすって空焼きする
深く碧い色が蘇る
彼女の「きれいね」という言葉が蘇る
28cmのフライパンは、俺と一緒にいる
焦げた目玉焼きはもう食べられないがフライパンのおかげで、
彼女の「きれいね」は今でも、いつでも聞けるんだ

2018年6月14日木曜日

失言の代償

こんばんは、こうちゃんです。

嫁とテレビ見てる時に何故か「俺も結婚したいなあ」と言ってしまった
それから一言も口を聞いてくれない

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これは、ほんとなぜかですね。
そりゃあこんなこと嫁の前で言ったら、口もきいてくれんわな。
切ない。

こうちゃん

2017年11月11日土曜日

ゲーム機ごと売られた

超ハマってたゲームなのに、友人と奥さんにゲーム機ごと売られてしまいました。
私の同僚(男)の話です。

先日、彼の結婚式(披露宴)に招かれました。
会場は都内のすばらしい式場で、新婦も美人。新郎の幼いころからの友人もたくさん駆けつけ、感動的な披露宴でした。
ただ、仲の良すぎる悪友(?)たちが「ちょっとぶっちゃけ気味かな?」という感じでした。
大変な盛り上がりの中で披露宴はお開きになり、参加者は二次会へ流れ、アトラクションが始まりました。
「あるものを売った値段を当ててください」というクイズです。
そして、会場のスクリーンには、悪友が彼の家からプレステ3とソフトをこっそり持ち出して、「ブッ○オフ」で売りさばく映像が……。
彼はウイニングイレブンというサッカーゲームにハマっていて、アジアNo.1に輝くほどの腕前だと披露宴でも紹介されていました。
しかし、そんな栄冠をあざ笑うかのように、映像では淡々と買取査定が行われ、ゲーム機は店の奥に消えていきます。
当然のことですが、買い取られたゲーム機のデータは、日本一だろうが世界一だろうが「完全消去」されます。
大爆笑が渦巻く会場の中で、一人言葉を失ったままスポットライトを浴びている新郎……。

どうやら新婦は彼の“ゲーム漬け生活”を快く思っていなかったらしく、そこへ悪友がこの“サプライズ企画”を持ちかけたようです。
企画の決行は奇しくも昨日、彼が今日という日に備えて式場に前泊している間でした。


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愛する嫁が・・・なんてことをしているのでしょう。
これから夫婦になれるんでしょうかねえ。


燃えPaPa